絵で分かる!をテーマにエネルギー供給の仕組みを解説しています。
今回は解糖系!
糖質を原料にエネルギーを生産します。
ロカボの流行りですっかり悪者になってしまった糖質ですが、実はダイエット、減量にも必要な栄養素。
結構マニアックな内容ですのでポイントだけ抑えておけばよいでしょう。
トレーナーとしての知識が必要だけど解糖系が難しくてを覚えられない。
スポーツやトレーニングをしているけど基礎知識としては知っておきたい。
そんな方に、ザックリ仕組みを解説します。
糖質は意外と貯められない
順を追って説明します。
まず、糖質はいわゆる炭水化物の1つです。炭水化物は糖質と食物繊維の総称と覚えておきましょう。
なので、コンビニなどで買う食品の栄養成分表示に「炭水化物」の表記があっても中身は糖質と食物繊維の合計です。
ロカボ商品などはあえて糖質の表示をしていたりしますね。
食物繊維は吸収されませんから、純粋にエネルギーとなる分を表示しようということですね。
そして糖質はグリコーゲンと呼ばれます。
私たちはこのグリコーゲンを燃料として身体に貯蔵しています。
それが、筋肉に貯蔵する筋グリコーゲン
肝臓に貯蔵する肝グリコーゲン
それぞれ筋グリコーゲンは約150g~350g(個人の筋肉量によります。)
肝グリコーゲンは約100g~150gのグリコーゲンを貯蔵出来ると言われています。
そして血中グルコースがわずか20g程度です。
つまり、体内に貯蔵できる糖質由来のカロリーは1000kcal~2000kcal程度しかないと言うことになります。
筋グリコーゲンは主に筋肉を動かすATP生成に使用され、肝グリコーゲンは主に血糖値の調整のために使用されます。
ちなみに肝グリコーゲンは血中グルコースとなり、血液中を流れますが、使用されない場合はまた肝グリコーゲンへ戻ります。
しかし筋グリコーゲンはATP生成のみに使用され、グルコースとなると再び筋グリコーゲンとして戻ることはありません。
では、運動時のグリコーゲンの消費はどのような優先順位で使用されるのか。
まず、第一に使用されるグリコーゲンは筋グリコーゲンです。
筋グリコーゲンが不足すると、血中グルコースを利用しますが、これは肝グリコーゲンを分解し、血中グルコースとしたものが主体となります。
グリコーゲンはオールラウンドプレイヤー
ATP-CP系回路で説明しましたが、人間の身体はスーパーハイブリッドで、発電所が3種類もあります。
それぞれ運動強度により発電所の稼働率が変わるのですが、糖質を燃焼とする糖質発電所では、高強度でも低強度でも主力稼働出来るオールラウンドプレイヤーです。
これは他のクレアチンや脂質には出来ない芸当なのです。
図を見ていただくと、
高強度である無酸素運動時(筋トレや短距離走など)にはグルコースは2つのATPからPを1つずつ貰ってしまいます。
え?ATP作るのにATP使っちゃうの?!って思いません?
私も思いましたwけどまぁ見てて下さいw
Pを2コ貰ったグルコースはちょっと荷が重くてパカッと2つに割れるんですね。
そーするとそこにNAD+っていう水素大好きキャバ嬢と、脱水素酵素っていうお馬鹿なカモが来るんですね。
NAD+はとにかく水素が欲しい欲しい。
脱水素酵素はとにかく水素を奪ってNAD+ちゃんにあげたい。
そーすると割れた脱水素酵素が割れたグルコース(グリセルアルデヒド-3-リン酸)から水素を奪っちゃうんですね。
そこで割れたグルコース(グリセルアルデヒド-3-リン酸)は水素取られちゃって更にバランスが悪くなります。
そーするとそこら辺に落ちてる(ほんとは落ちてないけど)Pを拾うんです。
で、拾ったはいいけど、2つもPを持てないんで、ADPにヘルプ!
ADPにPを4つ渡して4ATPの完成!
最初に2ATP消費してるから正味+2ATPが生成されます。
で、Pを渡した元グルコース(3-ホスホグリセリン酸・ホスホエノールピルビン酸)はピルビン酸になります。
ピルビンさんはこのあと更にTCA(クエン酸)回路→電子伝達系を回ってATP大量生産してくれます。
いかがですか?ワケ分からないんじゃないでしょうか?
大丈夫です。とにかくポイントだけ抑えれば大丈夫w
とりあえずここまでが解糖系です。
ポイントまとめ
- 糖質は無酸素・有酸素どちらの運動でもATP生成できる
- 糖質の形での貯蔵量は2000kcal程度で少ない
- 筋グリコーゲン→(血中グルコース)→肝グリコーゲンの順で消費
- 解糖系では2ATP生成
今日はここまで!!次回はTCA回路でございます!